ハーレーのエンジン「エボリューション」に迫る

今回は、ハーレーの歴史の中でも革新的な存在のエンジン『エボリューション』について簡単に解説していきます。

エボリューションとは、AMF傘下時代を脱却したハーレー社が1984年に発表したエンジンのことです。それまでハーレーに採用されていたショベルヘッドは耐久面や性能面が乏しく、当時評判の良かった日本車と比較され「重い、遅い、壊れる」と揶揄されていました。さらにカスタムやメンテナンスがしにくいなど、当時ハーレーに乗る人はマニア層の人がほとんどだったようです。しかし、そういった流れを払拭すべく作られたエボリューションは耐久性や性能面はもちろん、カスタムやメンテナンスも俄然行いやすくなり、一般的に受け入れられるきっかけになったのです。

さらに、耐久性や性能面を向上させるだけではなく、ハーレーの伝統を守りつつアップデートしたことは重要なポイントなのです。
コンピュータ設計やアルミの採用など高性能さだけに振り切るのではなく、しっかり伝統を重んじることで一般的にも受け入れられつつ従来のファンも大切にする仕様になりました。

またエボリューションの登場は、そのあとのツインカムエンジンの開発につながることになります。まさしく、名前の通りハーレーの歴史における『エンボリューション(進化)』となっています。

現代においてもエボリューションの人気は健在です。理由としては、ショベルヘッドなど以前のモデルだと取り扱いが難しいことや、2000年以降のモデルは音や振動を抑えて作られているので物足りないと感じる人もいる、ということが挙げられます。

エボリューションであれば、耐久性・性能面・カスタム性・メンテナンス性・フィーリング性を同時に実現できるのです。